初版リリース 2024年04月05日
最終更新日 2024年04月30日

TDB13TB+W5-2143:スピーカーの調整

 

【トーンコントロールのみの調整を測定】

TDB13TB+W5-2143(以降W5と略す)のスピーカーを作ったが耳を頼りに調整しただけだ。
測定っぽいものをしてみる。

使用するのはスマホアプリのSpectroid。

正式な測定なら無響室で位置固定で測るのだろうが、そんなものは無い。
スピーカー片chからピンクノイズを出し、前面15cmほどの距離で上下左右に少し動かしてアプリでスペアナ測定する。

簡易な測定だが思いのほか使えた。

 

まずトーンコントロールフラット状態での比較

AST-S1(リファレンス)

測定環境が簡易なのであてにはなりませんが、かなりフラットに出ているように見えます。

 

W5

AST-S1に比べるとフラットさに欠けます。
160Hz辺りにあるはずの落ち込みは無いように見えます。

測定環境が自室とスマホですからこの測定がフラットであろうとフラットでなかろうと、どちらが実際フラットかと言うつもりは有りません。
レファレンスに使っているAST-S1に慣らされているのでAST-S1とかけ離れた周波数バランスでは違和感を感じるのでなんとかしたい、そういうことです。

 

このグラフからプロットし直して比較したグラフ

W5は1KHzから7KHz周辺のレベルが高い。
これが原因でAST-S1に比べるとキンキンした音に感じる。

W5は低音域がよく出ている。
この辺は満足。

15KHz以上が落ち過ぎなのだが原因がよくわからない。
スピーカー正面で測っているから指向性ではないと思うし、後の方で測るがグリルの影響でも無さそう。

 

次にトーンコントロールをいつも利用する設定で測定。

AST-S1 BASS+5 TREBLE±0

 

W5 BASS+5 TREBLE-3

W5 BASS+5 TREBLE-4 

 

W5 BASS+4 TREBLE-4

 

プロットし直したもので比較。

AST-S1 BASS+5 TREBLE±0、W5 BASS+5 TREBLE-3 の場合

まあまあのバランス。

 

AST-S1 BASS+5 TREBLE±0、W5 BASS+5 TREBLE-4 の場合

聴いた感じは一番良いが高域を落とし過ぎか。

 

 

AST-S1 BASS+5 TREBLE±0、W5 BASS+4 TREBLE-4 の場合

低域ブーストを控えめ、高域の落ちを控えめに、これも悪くはないか。

 

バランスで良さそうかなと耳で合わせたのは以上の3パターンである。
測定データ上でもだいたい合っていた。

 

【吸音材の調整】

振り出しに戻って吸音材で調整できるか確認してみた。

 

飛びねこ推奨

 

吸音材無し

 

吸音材多量

 

比較

吸音材はピーク&ディップをなだらかにしてくれる傾向が見て取れるが吸音材が多すぎると低音が出なくなっている。
だいたいセオリー通りか。
推奨で良いかなと判断する。

 

【グリルの影響】

 

 

グリル有り/無しで測定してみた。

グリルあり(トーンコントロールフラット)

 

グリルなし(トーンコントロールフラット)

 

比較グラフ

影響はあるようだが、落としたい周波数帯(5KHz~7KHz)が落ちる結果になっている。
むしろ好影響。
保護の役目もあるのでグリルは付けたままでOKとした。

 

【サランネットの影響】

グリルが良かったので更にサランネット(スピーカークロス B1111(ブラック)ASファブリック 日本製)を追加して測ってみた。
タオルよりはマシだろう。

 

 

グリルのみ

 

グリル+サランネット4枚重ね
サランネット1枚では効果が薄いので4枚重ねにした。

 

グリル+フェルト
ついでだから無茶を承知でフェルト(ダイソーで買った厚手のもの)でも測ってみた。

 

比較

グリル+サランネット4重がとても良い結果。
100Hz以下の低域、10KHz以上の高域にほとんど影響を与えずにキンキンする原因の2KHz~7KHzが主に落ちている。
なんと理想的な効果だろう。

フェルトは高域が落ちるだけで、予想通り無茶だった。

 

サランネットを垂れ下げて利用するわけにもいかないのでグリルの裏側に縫い付けてみた。

 

スピーカーの白い振動板が見えなくなった。
この方が好きだ。

 

 

W5のネット縫込みの効果(生グラフは紛失したので省略)

うるさく感じる2KHz~5KHzが押さえられているのに何故か10KHz以上がよく出るようになっている。
全くの謎だが結果は非常に良い。 

 

リファレンスとの比較を再度測定。

今回から測定波をピンクノイズからスイープに変えた。
W5は低域が出ていないように見えるが無視して良い。
バスレフポートが離れた位置にある(距離が遠い)ので当てにならない。

AST-S1(リファレンス)

 

W5(グリル+サランネット4重縫込み)

 

まだ中高域が高めだが十分マシになった。
リファレンスとの違いは「個性」と言っても許せるレベル。

トーンコントロールで少し高域を落とせばリファレンスに近い音になる。

 

TDB13TB+W5-2143:スピーカーの製作

TDB13TB+W5-2143:スピーカーの調整

TDB13TB+W5-2143:イコライザによる調整

TDB13TB+W5-2143:バッフルステップ補正

 

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